9月6日 音楽祭短評②(神山奈々)

9月6日(火)は、アルディッティ弦楽四重奏団によるメインコンサート。プログラムはクセナキスのST/4から始まりました。緻密なアンサンブルは、大変魅力的なノイズの音色です。これは、アルディッティの皆さんが意図して作っている唯一無二のもので、おそらく現代音楽の作曲家は、いつも頭の片隅にこの弦楽四重奏の音色が憧れとして存在し、それが創造のモチベーションになっている事と思います。 ソルビアーティの弦楽四重奏第4番は、衝撃でした!とても明晰な一瞬が生き物のように生成される素晴らしく美しい音楽を体験しました。また、細川俊夫のパサージュは、アルディッティの音色で聴く事が出来て新鮮でした。もちろん、リゲティの弦楽四重奏曲は私の拙い言葉では書く事が出来ないほど素晴らしかったので、この辺りで苦手な作文を終わりにします(笑)

評者:神山奈々(第21回武生国際作曲ワークショップ アシスタント作曲家)
1986年、群馬県前橋市生まれ。東京音楽大学付属高校から作曲を専門的に学び、同大学卒業後、同大学院修士課程を修了。第79回日本音楽コンクール作曲部門第3位(2010)、2013年度武満徹作曲賞第3位。近作としては、オーケストラのための『きっと、またここで会えますように』(201年9、広島交響楽団)、ピティナ ピアノコンペティション特級新曲課題『沙羅の樹の 花開く夜に うぐいすは』(2020年)、オーケストラのための『Sky in the ocean』(2021年、トーンキュンストラーオーケストラ)、ヴァイオリンとチェロのための『翅と風媒花』(2022年、武生国際音楽祭初演予定)等。現在、東京音楽大学講師を務める。