武生国際音楽祭2025に参加された作曲家・神山奈々さんから、作曲ワークショップのレポートが届きました。
第24回武生国際作曲ワークショップは、9月1日から開講されました。今年は日本の望月京を中心にチューリッヒ芸術大学講師のフィリックス・バウマン、タジク系カナダ人の作曲家ファランギス・ヌルラ=ホーヤ、香港出身のチャールズ・クォンといった作曲家を招き、多くの受講生を迎えました。受講生の内訳としては日本から23名、国外からはアジア諸国から9名、ヨーロッパから1名が参加をしています。
初日は、香港出身のチャールズ・クォンによる「自作を語る」。自身の創作活動や香港シンフォニエッタのプログラムに関わる仕事について伺うことができました。近作のピアノ協奏曲は、香港の演奏家によるアジアのルーツを感じさせるサウンド。協奏曲という古典的な形式における、一人のピアノ奏者とオーケストラという社会との関係性を現代社会の要素と結びつけて再考するユニークな発想が受講生の関心を集めました。
また、ヴァイオリンのフランチェスコ・ドラツィオによるレクチャーでは22歳の時のベリオと出会いが印象的に語られました。さらに<セクエンツァVIII>がクラシックの演奏家に繰り返し演奏されるマスターピースになった理由について演奏家の観点からお話しされました。中でも印象的だったのは、ヴァイオリンが持つ歴史的な身振りについての内容。バッハのシャコンヌの身振りと<セクエンツァVIII>の身振りの共通点についての比較は大変興味深く、実演を聴きながら多くを学ぶことが出来ました。(神山奈々)
