ご挨拶

Toshio Hosokawa

武生国際音楽祭2019開催にあたって

武生国際音楽祭が、今年30周年を迎えることができましたことを、音楽祭推進会議の皆さん、そしてこの音楽祭をこれまで支えてきてくださった多くの関係者の皆さんに心から感謝いたします。私も1994年に最初に招待作曲家として招待されまして、武生の地を訪れましてから、一度も休むことなく25年間この音楽祭に通い続けました。そして20年近くこの音楽祭の企画に関わらせていただきました。数多くの試行錯誤をしながらも、この音楽祭に関わったことは、私の人生にとっても大きな意味を持ち、多くのことを学びました。素晴らしい音楽家たちと、この音楽祭で出会い、多くの感動を共有しました。そしていつの間にか武生の街は、私の第二の故郷のようになりました。わがままな私の企画を援助し、支えてくださった多くの皆さんに、心からの感謝を捧げます。
さて今年の音楽祭は、フランス音楽を多く演奏しますが、特別なテーマを設けずに、演奏者が喜んで演奏したい曲を中心にプログラムを組んでみました。世界的なヴァイオリニスト、ヴェロニカ・エーベルレとベルリンフィルの天才コントラバス奏者、エディクソン・ルイース、スウェーデン出身の世界的な歌姫、ケルスティン・アヴェモたちが、武生に初登場します。そして日本が生んだ若き天才音楽家、鈴木優人さんも初めて参加し、音楽祭の合唱団で彼自身が編集したモーツアルトのレクイエムを指揮してくれます。そして才能豊かな日本の若い素晴らしい音楽家たちを、伊藤恵さんが今回も厳選して連れてきてくれます。
作曲ワークショップには、世界的なイタリアの巨匠作曲家、イヴァン・フェデーレが初めて日本でレクチャーと教師をしてくれます。さらに優れた国際的に活躍する若手の作曲家たちも集まってきてくれています。
令和になり新しい時代の幕開けを、古典音楽から現代音楽まで楽しめる武生国際音楽祭で迎えてください。「世界から武生へ、武生から世界へ」というモットーはまだまだ続きます。

 

細川俊夫(武生国際音楽祭音楽監督)

 

武生国際音楽祭によせて

Kei Itoh

武生国際音楽祭30年、心からお祝い申し上げます。

30年の歩みーそれは積み重ねられたかけがえのない宝であり、我々音楽家、聴衆の皆様、そして音楽祭を支え続けてくださった方々の命の証です。 私は、2012 年からコンサートプロデューサーを務めていますが、音楽祭での経験は、実り溢れる豊かなものばかりです。クラシックのみならず、同時代の音楽と音楽家を新鮮に発信していく大切な場において、より深く音楽を考えることになり、音楽家としての人生も変わりました。 今年は9カ国の作曲家・演奏家が57人参加します。音楽監督の細川俊夫さんと知恵を絞り、夢のような出演者とプログラムが決まりました。彼らとともに音楽祭を創りあげていくことの喜びを感じております。音楽祭創設の頃には、まだ存在しなかった若い演奏家が沢山参加してくださいます。 ヴェロニカ・エーベルレは、ドイツの若手ナンバーワンのヴァイオリ二スト、コントラバスのルイスは、17歳でベルリンフィルに入団した天才、そして鈴木優人さんが満を持しての登場です。過去30年を現在が繋ぎ、未来への音楽の道としていけることを祈りつつ、今年も沢山の方々と素晴らしい音楽を分かち合えることを、心から楽しみにしております。

伊藤恵(コンサートプロデューサー)

 

[最終更新日 2019.7.9]